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〜CDA としてできること〜VOL.2 熊本復興支援セミナー

2017年02月27日 11:01 by jcda-journal
2017年02月27日 11:01 by jcda-journal

2016年4 月、熊本を中心に大きな地震が起こりました。4 月14 日夜9 時頃の大きな地震は、4 月16 日深夜のさらに大きな地震により、前震とされました。阪神・淡路大震災と同規模の地震とのことでしたが、その後の余震の発生の数は、今までにないものでした。
今やっと仮設住宅が建設され、これからいよいよ新しい生活が始まるという方もおられるようです。仕事や生活においてまだまだ不安定な状況が続いているのが現状です。

今回は、熊本地区会から発せられた依頼により8 月20 日(土)の午後に復興者支援セミナーを開催いたしましたので、その経緯や当日の様子をお伝えいたします。
JCDA 事務局 宮村 聡子

私達CDA ができることを考え、行動に移せるのでは…。
セミナー開催の日、九州・沖縄支部の顧問(前支部長)高木敬介さんは、事情により参加できないということでした。その代りにメッセージを送っていただき、宮村が代読いたしました。その中に、今回のセミナー開催のきっかけが含まれていました。

宮村の司会にて、セミナー開始直後の様子
※高木氏のコメントより抜粋「さて、本日のセミナーについては、5 月5 日に送られてきた熊本地区会: 上村地区長(当時:地区長、現:顧問)からのメールによって動きがスタートしました。そのメールには、こう書かれていました。
◎ 多くの人々が自分の心と心の動きへと目を向け始めた時、その心を受け止め、寄り添ってくれる人の存在が求められる。私達CDA ができることを考え、行動に移せるのでは…。
◎ただし、キチンとした対応、諸注意を受けてからの行動開始が肝要である。
◎九州・沖縄支部 熊本地区会として、JCDA本部へ専門家の派遣を打診し、レクチャーを出来るだけ早く行い、現場での活動をしたい。
◎ JCDA 本部への働きかけを行うが、支部長としても後押しをしてほしい。」

この内容に賛同され、熊本地区会と共にセミナーの開催を強く望まれました。またJCDA では、東日本大震災の際にも臨床心理士の先生をお招きして、復興者支援セミナーを行ったことがあり、熊本でも地区会の希望に応えるセミナーを開催する動きとなりました。
今回のセミナーは、臨床心理士の中でもJCDA の活動を長くご支援いただいている髙松真理先生にご担当いただくことになりました。CDA のことを知ってくださっているからこそ、ただ知識を伝えていただくだけでなく、何かCDA として考え行動に移せるきっかけとなるセミナーに、との想いからでした。

当日は、約50 名の方がご参加くださり、質疑応答では、さまざまな熊本の現状が伝わってきました。同じ町に住んでいても100m先の家は、大きな被害を受け、自分の家は無事であったり、相談業務の時のほんの一言に違和感を覚えたり、生活の中でまた日常の中で何かしたい、何かしなければ…。でもこれでいいのか、と葛藤と戦いながら過ごされている熊本のCDA のみなさんの様子が伝わってきました。髙松先生に質問をしながらも内省をする姿勢は、CDA らしい姿に見えました。JCDA立野理事長の挨拶の様子

セミナーを受けて
                        熊本地区会 顧問 上村 眞智子
地震発生後、少しづつ復興への兆しが見え始めていますが、目に見える物の復興と共に、そこで生きる人々の心の復興は更に重要であり、CDA がその支援者として、被災された方々に寄り添い、仕事への復帰、日常の家庭生活への復帰をサポートできたらと心から思いました。
ただ、その支援は、従来のキャリア・カウンセリングに加え、メンタル面のサポートを重視しながらの支援になることは必至であり、事前に実施上の注意点を専門家から学ぶ機会の必然性を強く感じました。
髙松先生のセミナーでは、CDA 理解確認から始まり、震災被害によるPTSD、トラウマ、解離、罪責感、悲嘆と続く専門的な知識、対応時に心しておくべき留意点を学びましたが、自身の経験と照らし合わせて聞き入る参加者の姿は印象的でした。
質疑応答で、質問者が抱える「贖罪感」や「悲嘆」から解放されていくキャリア・カウンセリングのライブを目の当たりした時、そして懇親会の席上で聞いた「セミナー会場に入った瞬間に目に入った笑顔と温かく包まれる様な空気感を感じ、思い切って参加して良かった!一歩踏み出せた!」 との言葉に、セミナー開催の確かな手応えと私達CDA のあるべき姿、存在意義を確認できた素晴らしい日となりました。
開催に際し、ご尽力下さった宮村さん始め多くの方々へ心から感謝申し上げます。
上村顧問の発表の様子

「震災被災者の方への支援
〜臨床心理の視点からCDA らしい関わり方を考える〜」
【日 時】2016 年8 月20 日(土)13:15 〜17:00
【開催場所】熊本森都心プラザ 6F
【参加費】無料
【プログラム】
13:15 開会
13:15 ご挨拶 JCDA 理事長 立野 了嗣 氏
13:30 〜セミナー
    「震災被災者の方への支援
   〜臨床心理の視点からCDA らしい関わり方を考える〜」
   <講師>臨床心理士 髙松 真理 氏
16:30 〜熊本の状況報告 
   熊本地区: 顧問 上村 眞智子氏
16:50 閉会

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