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JCDAジャーナル

2016年大会特別版 第6号

ありたい姿に寄り添って夢を実現する〜女性がより生きやすくなるために〜

2016年11月10日 10:30 by jcda-journal
関 優子さん(東関東支部)

みなさん、こんにちは。株式会社キャリア・ジョセフィーヌ代表取締役の関優子です。sekiキャリア・ジョセフィーヌは、文字通り女性支援の会社として2013年の12月に起業致しました。
その当時は、「女性のキャリア開発?!君、一体何言ってるの?」とどんなに必死に訴えても、なかなか想いが伝わらないこともたくさんありました。
しかし、現在では当時のことが嘘のように「女性が活躍する」ということに非常に注目が集まっています。
「女性が活躍する社会」これを口で言うのは本当に簡単なのですが、それは一体どういうことなのか、私の経験を少しだけお話しさせてください。

① 日本航空

私はですね、日本航空でフライトアテンダントをしておりました。
皆さんはフライトアテンダントという職業を聞いて、どのような世界をイメージされるでしょうか?
まさに女性が活躍する職場ですから、「女性が社会で活躍する」お手本のような企業だと思っていました。実際に日本航空に新入社員で入ってみて、本当に良い会社だと思いました。
しかし、結婚出産を経て、1年で職場に復帰してみると、事情が少し違うことに気が付いたんです。
例えば、ある夜、息子がぐったりしているので急いで熱を測ってみると、40度以上の高熱が出ていました。
かかりつけの小児科ももうやっていない、ファミリーサポートさんにも連絡がつかない。救急夜間外来に駆けつけたいけれど、あと2時間後には乗務しなければならない、どうしようと。
真っ先に思い浮かんだのは、仕事なんかほったらかして、子供のそばにいたいと思いました。
けれども、ご経験がおありの方もいらっしゃると思いますが、実際に子供の病気を理由に仕事を休むのは本当に勇気がいることなんです。
自分が休むことで周りの方々にも大きな迷惑をかけてしまう。フライトアテンダントという仕事も誰かに代わってもらうことも容易ではありません。挙げ句の果てに、「これだから子供を持つ人は・・・」なんてことを言われたものなら心だって折れてしまいます。結局この時は葛藤しながらも、なんとか、折り合いをつけてもらって実家の母にお願い出来ましたが、フライトしていても息子のことばかりが頭をよぎります。私はシングルマザーなので、息子がこんなにしんどそうにしているのに置いていく、私はなんてダメな母親なんだろう。本当に心が引き裂かれる思いでした。
そうしたことが重なって、いづらくなって辞めていく先輩方も見送ってきました。
つまり、女性が活躍するその陰では目に見えない重圧ですとか、大きなプレッシャーと戦っている現状があるんだと思います。
JALといういろいろな制度や施策が整っている企業であったとしても女性が自分らしく輝くということは、なかなか上手くいかない現状がそこにはありました。

② 兄の死
兄の死

仕事でも自分らしく輝けない中で、追い打ちをかけられるように、ある一本の電話が突然鳴ったんです。
唯一の兄弟である兄が急遽入院することになったという父からの電話でした。
父は電話口で泣いていました。

兄は末期の悪性リンパ腫で、もう助からないと言われました。
私は、兄が大好きだったので・・・どうしても・・遠くへ行って欲しくなかった。
そこで私は駆けつけた病院で1つの約束をしました。それは、「弱音を吐かず、最後まで頑張り抜くこと」というモノでした。この約束が、後に兄をすごく苦しめる結果となりました。
兄の病状はドンドン悪化していくのですが、兄は約束を守って決して弱音を吐くことはありませんでした。
それは兄として、私や家族を大切に想っての事だったのかもしれません。
最期の時に消え入りそうな声で、「ごめんな。もうダメなんだ・・・・。」という一言を残して、兄は意識を失いました。・・・・唯一の弱音はそれだけでした・・・。
その様子を見て、私はハッとしました。
なんてひどいことをしてしまったんだろう。

兄は最後まで頑張り抜きました。
だけれども、もしかしたら弱音だって吐きたかったのかもしれない。厳しい投薬治療だってやりたくなかったのかもしれない。もしかしたら私の為に頑張ってくれていただけなんじゃないか。
本当ならば、私が兄の心の中の声を聞いて、兄がしてほしいこと、必要なことに耳を傾けなければならなかったのに、逆に兄に気を使わせてしまっていた。
わたしはただ単に、自分のエゴを兄に押し付けていたんだと強く思いました。
今でもすごく後悔しています。
ですから私は決心したんです。
自分の人生をかけて、誰かのために寄り添って生きたいと。
相手の本当にしたいこと、ありたい状態それに寄り添って、そう出来るようにサポートしていきたい。そう、思って日本航空をやめて、CDAになりました。
それからたくさんの方に出会って、いろんな方に寄り添ってサポートしてきました。

③ 女性支援カウンセリング

その中でつい先日、非常に印象深い方のカウンセリングをさせていただきました。最後にその女性の話を一つさせていただきたいと思っています。
その方は、仮名ですけど加藤さんと言います。
加藤さんは私のところに訪ねてこられて非常に緊張したご様子でした。
そして私はいつものようにキャリアカウンセリングをし、その中で「何か夢はありますか?」と聞いたんです。
そしたらどうなったかって言いますと、加藤さんは、「夢?私が夢を持ってもいいんですか?」と怒り始めたんです。いやいや怒らなくてもいいじゃないですか。あの、もし夢があればあのおっしゃってください。無ければ無かったでいいんです。それは、私が持て。とかこうであれということではないんで、もしなりたいことがあれば言ってください。って言ったんです。
でも彼女は頑なに「私が夢を持つなんて考えてることもないです」と怒ったままなんですね。
で私は、「まあまあ。そう言わずに。」と言いながらも一旦受け止めて、その日はそれで一通りお話をお伺いして帰って頂きました。
で、「まー。難しいな。」キャリアカウンセリングはと。人様に気付きや何かこう希望を見出す促しというのは本当に難しいな。と思っていたんですけれども・・・。
あの、その女性 なんと腑に落ちていなかったにもかかわらず2回目も訪ねて来られたんですね。
で、彼女こう言うんです。
「先生、私、あのまだ自分の夢を持っていいのかよく分からないんですけど、やりたいことがあります」
「やりたいことって、何ですか?」とお伺いしたら、「子どもたちと関わっていくそういう仕事がしたいんです。ま、仕事って言うと大げさかもしれないんですけれど、何かそういうことをちょっとでもやっていきたいと思っています」
「加藤さん、素晴らしいじゃないですか。例えばどんなことですか?」
私はそのあと、方向性を一つずつ確かめる仕事をさせていただきました。
その提案させていただいた一つに、幼児教育のボランティアというものがありました。
最初は「私にできるかしら」とご不安もあったようですが、話をしているうちに挑戦してみたい!という思いに変わり、そして彼女は今、非常に明るくて生き生きとされた様子で幼児教育のボランティアをされていらっしゃいます。

【最後に・・・。】
最後に

私は最初にお話しさせていただきましたように仕事もプライベートも上手くいく事が出来ませんでした。振り返ってみると、当時、私は本当に孤独でした。
苦しくて もがいていたのにも関わらず、誰にも相談することが出来ずに、一人きりで必死に抱え込んでいました。
もし、そんな時に誰かがそっと寄り添ってくれて、心の中の本当の声を聞いていてくれていたとしたら、加藤さんのように、自然と一歩ずつありたい姿に向かって進んでいくことが出来たんじゃないか、兄にも寄り添えたんじゃないか、と思うんです。
「女性が社会で活躍しよう」とすると、目に見えない重圧やプレッシャーが少なからずのしかかってくる、ということも事実だと思います。
それは男性女性どちらにもあると思うんですが、子育てなどの問題もあって、より女性の方がその重圧を強く感じてしまう傾向にある。そうすると本当に言いたい事を言えなくなって、やりたいこともやれなくなって諦めていってしまう。
そんなときに、声を出してもいいんだよ。誰かに寄り添ってもらうことで、社会の中でもう一度立ち上がろうと一歩踏み出すことが出来るんだと思うんです。
そのためにはパートナーが必要で、それが私達CDAなんだと思います。
女性が社会で活躍する、その側には、よりたくさんのキャリアカウンセリングの機会が必要なんだと思います。一人一人女性がどうありたいかっていうのは違うと思うんですけれど、そのありたい姿に寄り添って、夢を実現出来るを社会を作っていきたい。と私は思っています。
そういうことを通して、女性がより働きやすくそして女性だけではなく、全ての人が自分のやりたいこと、そして加藤さんのようにありたいようになって明るく人生を生きられること、そういうことを目指してみなさんと一緒に仕事ができたら、と思っています。そんな素敵な明るい社会を作っていきましょう。明るい社会

株式会社キャリア・ジョセフィーヌ
株式会社キャリア・ジョセフィーヌ
株式会社キャリア・ジョセフィーヌ_2
筆者 関 優子(せき ゆうこ)
活動場所 株式会社キャリア・ジョセフィーヌ
活動領域 女性支援
活動歴 2013年12月〜

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