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JCDAジャーナル

2016年大会特別版 第4号

社会人メンター活動:モヤモヤに向き合い「ワーク」も「ライフ」も諦めない世の中を目指す

2016年08月26日 14:52 by jcda-journal
薬袋 恵理さん(西関東支部)

【CDA取得の背景】
「人の話をしっかり聴ける様になりたい」「自分自身が提供できる価値を増やしたい」
と思った事がCDA取得の本音のきっかけです。もっと掘り下げると、始まりは「挫折」「恐怖」「悔しさ」。人材業界で法人営業から人材コーディネーター部門へ異動すると、お仕事紹介・マッチングの根幹である、初回面談(登録面談)があります。法人営業時代から、派遣スタッフの方々との関係性構築に難しさを感じていた私は、更にその壁にぶつかる事に。面談で価値観が違う相手と対峙した時にどうしていいかわからない、どこを掘り下げていいかわからない、その人に何も提供する事が出来ていない、と苦しみ続けました。「信用できない」「心を開けない」「本音が言えなかった」と言われた事もあります。いくら売上目標を達成しても、悔しさとモヤモヤした気持ちが晴れませんでした。この事がきっかけで、人生の中で大事な「仕事」の相談にいらっしゃった方々に対して、自分の介在している意義をもっと見出したい、人の話をしっかり受け止められる様な人間になりたい、と思いました。そして、リーマンショックを経験し、超がつく大手の顧客先での社員リストラ、派遣社員一斉契約終了・・。他人事ではなく、自分も企業に勤務している事で安心してはいけないという恐怖心も芽生え、もっと自分自身が提供できる価値を増やしたい、と思う様になります。
今から考えると、自分の世界観や先入観だけでがむしゃらに前に突き進み続けるだけでなく、CDAとしての学びから、大切な事に気付いたので、本当に良かった・・と思っています。

【メンター活動を始めた背景】
より深くキャリア支援を行い、顧客である企業側の期待にももっと応えたい、と考え人材サービス業の中でも「人材紹介」の領域へ転職しました。キャリアアドバイザーとして20代~30代前半の方々の転職活動支援をさせて頂く中で、男女問わず「ワーク」と「ライフ」について、漠然とした悩み・不安を抱える方々がとても多いという現状に気が付きました。minai01
例えば女性ですと、「結婚・出産しても働き続けたい」という方々が増えているのですが、「今の環境だと残業も多いし、続けていくには不安なんです。家庭と両立できる職場に転職したいです」という声も同時に非常に多いです。もっと話を聴いていくと、周りにロールモデルがいなくて相談できないし、こうした悩みに直面するのが初めてで、さらにモヤモヤ・・。自分がどうなりたいか、という長期的なキャリアビジョンを考えられず心にブロックがかかってしまうんですね。労働力人口が、長期的視点で見ても低下する日本国内において、個々が主体的なキャリア意思決定が出来る様にするために、私自身何が出来るだろうか?と考えていた事が始まりでした。

そんな中、CDA仲間からご紹介頂いた、活動母体(スリール)代表の方より、社会人メンターのお声がけを頂きました。社会人になる前の大学生のうちから、将来に向けて「ワーク」と「ライフ」のリアルを学び、当事者意識をもって社会に関わっていける様なマインドが身に付く様にサポートをする、というビジョンに非常に共感し、2014年4月よりメンターの活動させて頂いております。minai02

【メンター活動の目的】
ワーク&ライフ・インターンプログラムに参加中の大学生が、インターンに関わる悩みだけではなく、漠然とした将来への不安や、モヤモヤを打ち明けられる様な存在として、社会人メンターがおります。参加中の大学生は、家族・友人・恋人・インターン仲間・アルバイト仲間等にも話せない様な悩みを抱えている事も多いです。自分自身と向き合う時間を作って頂き、現状の悩み解消だけではなく、将来のキャリアについて考える一つのきっかけにして頂く場を目指したい、という想い・目的をもって取り組んでいます。

■スリール株式会社の概要 (http://sourire-heart.com/
自分らしい、ワーク&ライフの実現をする為の支援を法人・個人を共に対象として行っています。
■インターンの概要「ワーク&ライフ・インターン」
http://sourire-heart.com/service/intern)という、4ヶ月間のインターンです。ベビーシッターのインターンではなく、大学生・社会が融合し日本の未来について考えるきっかけとなるプログラムです。
【体験プログラム】【座学プログラム】【交流プログラム】の3本柱で構成されています。

【メンター活動について】
■インターン開始時:インターンが始まる期毎に、事前の説明会(キックオフ)に参加し、スリールの代表・運営スタッフの皆様、社会人メンターの皆様とメンタリングについての意見交換をします。(学生との向き合い方・話を聴く姿勢や、今期の学生の傾向、より良いメンタリングにしていく為に、等)
■インターン期間中:社会人メンターは、お預かりが慣れ始めた2ヶ月目~4ヶ月の間に、約1ヶ月に1回担当学生のメンタリングを行い、現状の悩みや考えている事などをお聴きしします。「モヤモヤ」にもとことん向き合います。実際には、現状の事だけでなく、過去に遡って掘り下げてお話を聴く事も多いです。毎回のメンタリングは2時間程度となりますが、その回が終わる事にフィードバックシートをその場で書き、お互い交換します。minai03メンタリングを通じて気づいた事・感じた事や、「やってみよう!」と思えた事を学生に書いて頂いたりと振り返りや気づきの時間になりますが、「学生にとって」良い場となる事を目指しています。自己効力感が低下している方々も多い為、その学生の良い所・強みをフィードバックする事にも注力しています。実際、毎回気づかされるのですが、私自身もキャリアの意思決定をした事を思い出し、次世代にその想いを伝えていく・・まさに共存なのだと思います。インターン期間が終了しても、担当学生とお会いしたり、コンタクトをとる事もあります。ぜひ、私も長期的に関係性を深めていければと思っております。

【CDAの学びが活かせている点】
■メンタリングを行う姿勢
「無条件の肯定的尊重」:学生のありのままの姿を受け止めようという姿勢を心掛けています。
「共感的理解」:つらい出来事を思い出す、泣き出してしまったり、感情を吐露する場面も多くありました。しっかりと気持ちを受け止め、共感していく事も心掛けています。
「自己一致」:私自身の感情にも正直になり、メンタリング中に自己開示する事もあります。
「傾聴」:あくまでも、学生が話したい事を話して頂く様に、話をそらさず、掘り下げていく事で根っこの想いを話して頂く様にしました。
■キャリア理論
あまりキャリア理論は多用していませんが、クルンボルツの「プランド・ハプンスタンス・セオリー」は何回かメンタリング中にもお話しました。「完璧に決めないとダメなんだ」という固定概念を持っている場合の払拭にもつながり、チャンスを掴むためのマインドの参考にして頂いています。

【学生の変化と得られた成果】
■担当した学生から頂いた言葉
「話を優しく受け止めて下さったので、安心して話す事ができました」「親にも友達にも言えない悩みを打ち明ける事ができました」
「話を聴いて下さり、モヤモヤが晴れてきました」「自分では思ってもいなかった事が、強みだと分かって少し自信につながりました」
「薬袋さん自身も悩みながら前に進んできた、という事が分かり、悩んでいる事は遠回りではないと気づきました」
「自分が将来どうなっていきたいのか、糸口が見えてきました」・・など、CDAとして学んでいく中で、私自身大切さに気づいた話を聴く姿勢により、学生は「自分を受け止めてもらった」と感じ、「思いを打ち明ける」事が出来る様になり、「将来の事を考える」という未来に向けて一歩踏み出す・・そんなご支援が出来ている実感を持つ事が出来ました。
1回目のメンタリングでは、自信喪失気味だった学生も、3回目のメンタリングや最終プレゼンテーションにおいて、自分の目標や、今後は社会に対して自分が何をしていくか、お話する姿を見ていくと、1メンターとしても、介在する価値があると感じています。
まだ社会に出る前の大学生が、お預かり等のプログラムをリアルに体験し、社会人と対話を重ねる中で、過去や現在、未来に悩みながらも成長していき、自分の意見やキャリアについて、当事者意識をもって発信できる様になっていきます。1人1人が当事者意識を持つ事の積み重ねで、社会全体へ与える影響も大きくなると思います。

【今後の展望】
社会人メンターとしての経験を通じて、学生だけでなく、社会人にも社外メンターと出会える仕組みの必要性を感じています。途中でも記載しましたが、20代~30代前半の社会人の方々にお話しを伺うと、「ワーク」と「ライフ」について悩み、モヤモヤが続き・・後ろ向きに会社を辞めてしまった、転職をしてしまった。どうしていいかわからない・・・等、もがき苦しんでいる実態があります。主体的に長期的な視点でキャリアの意思決定が出来る様に、社外でも相談できるメンターの存在は、例え小さな一歩だとしても、積み重なり社会全体への介在価値があると感じます。同様に、CDAとしての介在価値も大いにあると思うのです。
「ワーク」か「ライフ」、どちらかを諦めなければならないのでは・・?という心のブロックを作るのではなく、現状の想いを受け止めた上で「ワーク」も「ライフ」も諦めずに、思い描くキャリアを実現するにはどうするか、を私自身が一緒に考えていける存在でありたいと思います。

プロフィール
筆者 薬袋 恵理(みない えり)
活動場所 【メンター活動に際して】カフェや喫茶店などで行います。担当学生さんと個別に連絡をとり、日程や待ち合わせ場所を決めていきます。
活動領域 大学生のキャリア支援 (*「ワーク&ライフインターン」に参加中の、大学生・大学院生が対象です。期間中のメンタリング対象学生は、基本的に1名となりますが、担当させて頂いていない方のご紹介を頂き、お会いするケースもございます。)
活動歴 2014年4月より社会人メンター活動開始
その他 大学生キャリア支援の他、若手社会人キャリア支援・女性キャリア支援を自分のライフワークとして考えています。
コメント 大学時代、労働経済学に出会った事をきっかけに、2006年人材サービス会社に就職。人材派遣領域の法人営業・コーディネーターを経験した後、2013年11月に転職。人材サービス会社にて、キャリアアドバイザーとして主に20代~30代の方々の転職支援を行った後、現在は同社で転職希望者の方々の集客・マーケティング関連業務に従事。向き合う相手への価値提供の為に、学び続ける事を大切にしています。<br />*2012年CDA取得。

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